エプロン・ガウン・全身カバーオールの選定規格基準

エプロン・ガウンの選定規格基準

医療現場で用いるプラスチック製のガウンやエプロンには製造・性能規格はございません。

AAMIガイドライン 性能により下記に分類

AAMI (エイミー)とは、米国医療機器振興協会の略(Association for the Advancement of Medical Instrumentation)で、医療機器の安全で適切な使用を促進することを目的とした米国の機関です。 この機関では安全性の基準や性能の基準を規定しており、その中の1つにサージカルガウンやアイソレーションガウンなどのバリア性能を4段階で示した規格基準のPB 70があります。 感染などのリスクから医療従事者を守るためには、手技や予測される手術時間、血液量等に応じた適切なバリア性能を備えたガウンの選択が重要です。

AAMIが求める最低のレベルがレベル1ですが、大量の血液や病原性微生物の汚染が想定される処置にあたる場合はレベル2以上のガウンを使用することが推奨されています。

AAMI PB70

レベル1 スプレー・インパクトテスト(AATCC 42) ≦4.5g
レベル2 スプレー・インパクトテスト(AATCC 42) ≦1.0g
ハイドロ・プレッシャーテスト(AATCC 127) ≧20cm
レベル3 スプレー・インパクトテスト(AATCC 42) ≦1.0g
ハイドロ・プレッシャーテスト(AATCC 127) ≧50cm
レベル4 ASTM F1671(バクテリア透過テスト)にパスし、AQL4%を示すこと。

Association for the Advancement of Medical Instrumentation (AAMI). Liquid barrier performance and classification of Protective apparel and drapes in health care facilities. Arlington, VA: AAMI, 2022


全身カバーオールの選定規格基準

  規格種別 規格概要 該当規格
カバーオール
(化学防護服)
密閉服に関する試験 全身化学防護服(カバーオール)としてスプレーやミスト状の液体化学物質から、また浮遊固体粉じんから着用者の防護に関する規格。 スプレー防護用密閉服(タイプ 4) EN 14605
JIS T 8115
浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ 5) EN 13982
JIS T 8115
ミスト防護用密閉服(タイプ 6) EN 13034
JIS T 8115
生地を用いた透過性試験 カバーオールの生地に関する血液やウイルスの透過性試験。試験では人工血液やウイルス懸濁液を使用する。 人工血液バリア性試験 IS0 16603
JIS T 8060
ウイルスバリア性試験 IS0 16604
JIS T 8061

※上記以外にも放射性物質からの防護(EN 1073)や静電気からの防護に関する規格(EN 1149)がある。
※WHOからはエボラ出血熱感染症患者対応の医療従事者が装着するべきカバーオールについては、ISO 16603ではクラス3以上、またはISO 16604ではクラス2以上と基準が示されている。

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