グローブの選定規格基準

医療用のグローブについては世界規模の標準化団体であるASTM International、欧州基準およびJIS(日本産業規格)においても製造品質規格が存在します。

それぞれの規格基準では素材別にグローブの大きさや厚みの他に引張強度や最大伸長度などの物性に関する許容基準が設定されています。

また近年はポリ塩化ビニル(PCV)素材にニトリルを配合したハイブリッドグローブが開発され、PCVグローブより伸縮性やフィット感の向上が確認されています。医療用のハイブリッドグローブについてはまだその素材での基準はなく、医療用のPCVの基準に則り製造されています。

ASTMにおける検査検診用グローブの主な基準

物理的特性基準(素材別)

老化前 老化後
ニトリル
(ASTM D6319)
PVC
(ASTM D5250)
ニトリル
(ASTM D6319)
PVC
(ASTM D5250)
引張強度(MPa) 14以上 11以上 14以上 11以上
最大伸長度(%) 500以上 300以上 400以上 300以上

ASTMにおける検査水準及びAQL(合格品質基準)※ニトリルおよびPVC共通

検査水準 AQL
水密性(ピンホール)  G-1 2.5
寸法(全長、幅及び厚さ) S-2 4.0
引張強度・最大伸長度 S-2 4.0

欧州基準(EN455)における検査検診用グローブの主な基準

物理的特性基準

ニトリル PVC
切断力(force at break) 6.0N以上 3.6N以上

EN455における検査水準及びAQL(合格品質基準)※ニトリルおよびPVC共通

検査水準 AQL
水密性(ピンホール)  G-1 1.5

その他重要項目(抜粋)

医療用グローブとしては、少なくとも下記テストデータが要求され、この規定に満たない製品は、医療用個人防護具(PPE)として認められません。

目的 ASTM規定
ASTM D5712:溶出タンパク量の規定 <50μg/g
ASTM D6124:パウダー含有量の規定 <2mg
ASTM D5151:水漏れ品質管理の規定 AQL1.5

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